羊毛フェルトを使ったパペットアニメ「PUI PUI モルカー」が大人気の理由

2021年1月に放送スタートして間もなくTwitterトレンド入りなど一躍話題となった、羊毛フェルトを使ったパペットアニメ「PUI PUI モルカー」。その人気は、2月末現在に至ってもとどまることを知りません。

モルカーファンによる二次創作も盛んなほか、絵本やぬいぐるみなどのグッズも登場しており、自動車保険のCMでも用いられることが決定しています。Yahoo!ニュースの記事でもこれまでに多数取り上げられました。

これだけの大人気を誇る「PUI PUI モルカー」、その魅力はどんなところにあるのでしょうか？今まで見れていなかった人にもわかりやすく紹介していこうと思います。

PUI PUI モルカーとは？

まず、「PUI PUI モルカー」とは、羊毛フェルトでできたモルモットの車達（モルカー）がキャラクターとして登場するパペットアニメです。モルカーは車ですが同時に生き物でもあり、自分の意思をもって行動します。

監督は「マイリトルゴート」でパリ国際ファンタスティック映画祭でグランプリなど国内外で多数の受賞歴もある見里朝希監督で、ドラえもんやクレヨンしんちゃんなど多数の動画制作を手掛けてきた制作プロダクション、シンエイ動画とのタッグで制作されました。

「PUI PUI モルカー」の放送は1月5日から毎週1話が追加され、1話2分40秒、全12話の予定となっています。アーカイブは1週間Youtubeで最新話を視聴することができる他、Amazon Primeなどサブスクリプション系のサービスで全話視聴することができます。

PUI PUI モルカーが人気の理由とは？

この「PUI PUI モルカー」、なぜこれほどまでに人気となったのでしょうか？これまでの記事なども参考にすると、主に以下の5点が理由として挙げられます。

1．羊毛フェルトで作られたかわいいモルカー達

まず欠くことのできない点として、羊毛フェルトでできたモルカー達のかわいさがあります。モコモコとした羊毛フェルトの質感で実物感のあるモルカー達は、そのままぬいぐるみにもしたくなるほどかわいいです。

2．動きや声にモルモットのリアリティを入れた演出

モルカー達の声を担当している声優は本物のモルモットです。見里監督自身が飼っているモルモットの声を使っていて、モルカー達の動きや表情も本物のモルモットに忠実に作られています。生き生きとしたモルカー達の動きや声は、動物好きの人たちにも受け入れられやすかったといえます。

3．そのかわいさとのギャップになる人間の闇や愚かさを描いた深みのあるストーリー

一方で、かわいいだけに留まらないのが「PUI PUI モルカー」の魅力です。ストーリーの中でモルカー達がひたむきに頑張っている一方で、人間が運転そっちのけでゲームして交通渋滞の原因になったり、銀行強盗をしたり、ごみのポイ捨てをしたり、と様々な問題を起こしていきます。

Twitterで拡散される際に多いのが「人間は愚か」というコメントです。見里監督は、「マイリトルゴート」などこれまでの作品でも社会における暗い側面に焦点を当てています。モルカー達のかわいさとのギャップにもなる、風刺的なメッセージや深みのあるストーリー。考察もはかどり、子どもだけでなく大人も楽しめる作品となっています。

4．外国の人でも見やすいセリフなし・Youtubeでのアーカイブ

「PUI PUI モルカー」は国内だけでなく、台湾など海外でも人気を博しています。全編を通して声はあってもセリフはないため、日本語がわからない外国の人でも見やすい作品であることや、Youtubeでのアーカイブ（最新話の1週間限定）などで簡単に見られるといった制作・放送上の工夫も功を奏しているといえます。