おひつじ座の由来って?ギリシャ神話の「黄金の毛の羊」の話

おひつじ座の由来って?ギリシャ神話「黄金の毛の羊」の話 ひつじ小話

12星座の1つであるおひつじ座(牡羊座)。「今日は○○座の運勢が良い」といった星座占いでもおなじみです。

一方で、そんななじみ深いおひつじ座でもその由来については考えたことがない、という人が多いのではないでしょうか?

そこで、おひつじ座はいつ生まれたのか、またそこにどんなストーリーが込められているのかについて調べてみました。

おひつじ座の概要

「そもそもおひつじ座って何日生まれ?」という人向けにまずおひつじ座の基本的な情報から紹介します。

星座占いなどでよく出てくるおひつじ座生まれの人は3月21日〜4月19日が誕生日の人です。

おひつじ座は学名ではAries(アリエス)となっており、星座記号も定められています。

おひつじ座の星座記号

おひつじ座の星座記号は「おひつじざ」と打って変換しても出てきます。甲骨文字の羊の文字にも似ていて興味深いですね。

羊の甲骨文字

おひつじ座の由来

おひつじ座の起源をたどっていくと、実はメソポタミア文明にまで遡ります。

最初の星座は、紀元前3000年頃にメソポタミア地方に住んでいたシュメール人やアッカド人が夜空の星と星を結んで、その形を神話や伝説上の人や生き物になぞらえたことから始まりました。やがてその星座はバビロニア人に受け継がれます。

古代バビロニアでは、おひつじ座にあたる星座は元々農夫を意味していました。ただ、「男」と「羊」が同音異義語(lu)だったために次第におひつじ座は羊の星座となったのです。

おひつじ座ときたばえ座『ウラニアの鏡』1824年

おひつじ座ときたばえ座『ウラニアの鏡』1824年

その後、バビロニアの星座はフェニキア人を通じて古代ギリシャに伝えられて、それが現代にも語り継がれる神話とともにギリシャの星座となりました。

ギリシャ神話「黄金の毛の羊」

おひつじ座になぞらえられるギリシャ神話上の羊は、黄金の毛をもつ羊となっています。中でもプリクソスの話が有名です。

アタマスとネペレの息子であるプリクソスとその妹のヘレは、アタマスの後妻イノから邪魔者として疎まれます。

ある日、ついにイノの企みによってプリクソスが生贄に捧げられそうになるのですが、すんでのところでゼウスから遣わされた黄金の毛の羊に乗って逃げることに成功します。

プリクソスはヘレを連れて一緒に逃げますが、ヘレは羊が走る途中に海に落ちてしまい、溺れて死んでしまいます。

プリクソスとヘレ

「プリクソスとヘレ」ナポリ国立考古博物館、ローマ時代のフレスコ画

その後、コルキスまで逃げることに成功したプリクソスは、黄金の毛の羊をゼウスに捧げて、その羊毛の皮を当地の王、アイエテスに贈りました。

この黄金の羊毛は、ギリシャ神話の別の話であるイアソンが率いるアルゴナウタイの物語でも秘宝として登場することになります。

 

以上、おひつじ座の由来やおひつじ座にまつわる神話について紹介しました。由来を辿っていくのはいろいろと繋がっていって興味深いですね。

ちなみに、おひつじ座は12星座の最初にあたり、星座占いや性格診断では「新しい挑戦が向いている」と占われたりもするようです。今はちょうど新年度を迎えた時期でもありますので、なにか新しいことを始めてみるのもよいかもしれませんね。

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